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は油溜り油温が80℃を越えるものもあり、特別の潤滑油を指定される場合がある。いずれにしても正常な潤滑油を常に使用することが好ましく、油溜りの中の水分や凝縮物をドレン栓を抜いて時々除去するとともに指定された交換時間を守ることが必要である。
(b)使用冷却水
水冷式タービンの冷却水には清水、海水のいづれでもよいが、その出口温度はケースの腐食防止、及び水中の塩分の附着防止上から、低過ぎることも高過ぎることも好ましくない。
(c)過給機の汚れ
過給機の汚れは、主としてコンプレッサ側では吸込空気(一般には機関室内空気)とともに霧状の油性ミスト等を吸込み、インペラ、ディフューザ、ケースおよびフィルタ等の表面に粘性の付着物がつく場合であり、一方タービン側では排気ガス中のカーボンおよび燃料中の無機物質等によりノズル、タービンブレード、ケース等に固い付着物がつく場合である。したがって汚れの度合いは吸込空気の清浄度、燃焼の状態および使用燃料によって左右されるので、汚れの早い場合は、メーカーの定期的点検時間にこだわらず状況に合わせて適時に各部の洗浄を行うことが必要である。
過給機の汚れは’性能の低下をまねくばかりでなく、回転部の不釣合が増すこととなり、ベアリングの損傷、インペラあるいはタービンブレードの損傷につながることから、過給機の保守の上で最も注意すべきことの一つといえる。
汚れをできるだけ防止するためには
(i)吸込ダクトにより機関室外部より空気を吸込む方式とする。
(ii)機関の燃焼を良好に保つ。
(iii)フィルタの除塵性をよくする。(エバーライトフィルタなどをフィルターサイレンサの外周に巻く)
等の処置をすることが必要である。
(d)コンプレッサの洗浄
前記の過給機の汚れのうち、吸気圧力が低下し、排気温度が高くなる等の機関の性能低下をまねく主原因はコンプレッサ部のインペラおよびディフューザの汚れによる場合が多い。これを防止するには過給機を分解することなく、運転中に、水または特定の洗浄液をインペラに向けて噴射し、化学的または、機械的にその付着物を除去する。
洗浄時期は、当初の吸気圧が10%程度低下した時点が、一応の基準とされているが、状況に合わせて行うのが良い。具体的な洗浄方法はメーカーにより多少相違はあるが、説明書に従って実施することが大切である。また、コンプレッサの

 

 

 

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